山梨は昔、海だった!化石に触れる公園が身延町にあった【後山川砂防化石公園】
現在は海がない山梨県ですが、「はるか昔は、海の底だった」ことはご存知でしょうか?
その証拠となる、貝の化石が大量に発見され、とある場所に化石公園が作られました。
しかも、直接触ってもOKなんです!
山奥にあるとても小さな公園ですが、大人も子供もワクワクして楽しめるスポットです。
ちなみに、化石の発掘・持ち出しはできません!
それでは、山梨県身延町にある、後山川砂防化石公園について紹介していきます。
場所(わかりにくいです!)
結構な森の中です。我が家のナビではたどり着けませんでした。
身延町遅沢を目指します。
個人宅だと思うのですが、飛行機や船などの現物が畑や屋上に展示してあるあたりに、青い看板を発見。
「化石公園 この先700m」とのこと。橋を渡ります。
こんなに山の中なんです!
くねくねとした一本道を通っていくと公園があります。
身延町は「峡南」です!
山奥なのに、化石がある・・・なんだか不思議な公園ですよね。
次は公園の化石を紹介していきます。
公園の様子
とても小さな公園で、うっそうとした雰囲気です。
駐車場には看板がありました。
看板を一部抜粋しますと・・・。
後山川では、渓流に沿って貝化石を中心に多くの化石が出てきました。
化石公園は、それらを1ヶ所に集め、皆さんに見てもらえるように展示した公園です。
公園内には大小いくつかの化石が展示してあります。
特殊加工がされていますので、直に触れることができます。
とのことです。
特殊加工がされているので、直接触ってもいいとのこと!
▼ こちらの看板は、「後山川砂防事業概要」について書かれています。
かつての豪雨で土砂崩落があったため、砂防ダム3基が作られた、とのことです。
この辺りの化石は、町の天然記念物に指定されています。
発掘や外部への持ち出しは原則禁止とされていますのでご注意ください。
身延町教育委員会
このあたりの化石は、身延町の天然記念物です。
発掘したり持ち出したりすることはできません!!
公園内を歩いてみよう
公園内は、整備されていて歩くことができます。
階段を降りていくと、砂防ダムの前にあずまやがあります。
ひときわ大きな化石の岩!!!
貝の化石がビッシリ。
子供の手の大きさと比べてみても、大きい!
この貝は「月日貝(つきひがい)」というそうです。
「月日貝(つきひがい)」とは
見た目が特徴的で表側は赤褐色、裏側は薄黄色という表と裏の色がまったく違う二枚貝です。この色の違いを月と日に見立ててなづけられたようです。
中新世後期から鮮新世初期の暖流の海に生息していたと推定されています。
水深10m~50m 程度の砂底に棲んでいたことから、砂岩中から数多く発見されています。
このほか、タマキガイやトヤマガイなどの二枚貝とネムリガイ、パテイラなどの巻貝や穿孔貝のように貝が棲んだ痕の化石も発見されています。
ここ一帯は、水深10~15m だったことが伺えますね。
やはり、海の底だったのです!
公園内は、ところどころに看板が設置されています。のんびり歩きながら学ぶことができます。
こちらの看板には、「化石の年代について」書かれていました。
この後山川流域の遅沢地区は、地質時代区分からみると新第三紀中新世から鮮新世(約1,500万年~800万年)につくられました。貝化石が産出されることから当時は海であったといえます。
この川の北東側に位置する烏森山に露出した「柱状節理」は、地下のマグマが地表に吹き出たときにゆっくりと冷やされてできたものです。このような岩を貫入岩と呼んでいます。
約1,500万年~800万年前の化石に、今出会うことができるなんて!
この川の北東側に「柱状節理」が露出しているのですね!見に行きたい!(今回は時間がなく行けませんでした・・・)
公園内に展示してある化石
公園内にはいくつかの化石を含んだ岩が展示されています。
最初のあずまや以外は屋根もなく、“展示” というより、そのまま置かれているため多少の風化が見られました。
こちらは、白い部分が貝の化石のようですね。
たくさん含まれています!
ところどころある白い部分が化石のようです。
川まで降りてみよう
砂防ダムのある川まで降りていくことができます。
川までは、木の階段が敷かれてありました。
何かあるのかな、ワクワク・・・。降りてみましょう!
下から見上げると砂防ダムの素敵な形状が。水が少し流れていました。
川はこのように、大きな岩もごろごろしています。周りに木や草が生えて、少し暗い雰囲気でした。
小さな砂利もあります。表面が平らに割れている石もありました。
川にある大きな岩にも、貝の化石が埋まっていました!発見!
よ~く見ていると、だんだん目が慣れてきて、巻貝の化石も発見しました。
これ、巻貝ですよね!?
大小さまざまな化石がありました。
持ち出しは禁止されています。観察して帰りました。
サルに注意!
帰り道、橋を渡ったところで、サルの群れに出会いました。
どうやら集団で桜の実を食べていたようで(5月下旬)、私たちの車が近づくと一斉に逃げ出しました。
▼ ピンボケしてしまっていますが、体が大きな個体もいました。
サルがいると、少し怖いですね。食べ物を与えないようにしましょう。
どこを撮っても絶景!大自然を感じよう
【参考】他に化石観察ができる場所
実は、とある本を読んで化石公園を知りました。
その本によると、他にも化石を見ることができる場所があるようです。
引用:化石ウォーキングガイド 関東甲信越版
⑨ は、化石公園の場所です。
本によると、④⑤、⑥⑦の場所にも化石マークがありました。
こちらの本です。
化石の場所をわかりやすく紹介した本で、オススメです。
おわりに
山梨県身延町は1,500万年~800万年前、海深10~50m だったことがわかりました。
化石公園では、化石に直接触れて想いを馳せることができます。
子供が化石に興味を持ったので行ってみましたが、大人もワクワクどきどきが止まりませんでした!笑
化石好き、地層好きのかたはぜひ立ち寄ってみてくださいね!
夏休みの自由研究にもよさそうですね♪
ちなみに、山梨市兄川や甲府市相川でナウマンゾウの化石(臼歯)が発見されたこともあるそうですよ。
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