そば切り発祥の地は山梨に!武田氏ゆかりの栖雲寺でそばの種まき
先日、甲州三ツ者衆の冨田勘五郎氏に誘われ、山梨県甲州市にある天目山栖雲寺さんへ家族で訪れました。
栖雲寺さんは日川渓谷の散策路の終点にある、自然豊かなお寺です。
栖雲寺は「武田勝頼が最期に目指したお寺」として有名ですが、「そば切り発祥の地」でもあり、今回はそばの種まきのお手伝いにうかがいました😊
栖雲寺は「そば切り発祥の地」
天目山栖雲寺は「そば切り発祥の地」といわれています。
境内には大きな石碑がありました。
もともと室町時代より前は、「そばがき」といって、そばは塊状の食べ物でした。
それを、うどんに習って細長く切って食べ始めた歴史があります。
尾張藩士天野信景の残した雑識集『塩尻』によると、
蕎麦切りは甲州よりはじまる、始め天目山へ参詣多かりし時、所民参詣の諸人に食を売に米麦の少かりし故、そばをねりてはたこ(旅籠)とせし、其後うとむ(饂飩)を学びて今のそば切りとはなりしと信濃人のかたりし
引用:天目山栖雲寺
とあります。
つまり、天目山を訪れた人に、そばをうどんのように切ってふるまっていた、とのことですね。
栖雲寺をひらいた業海和尚は、中国浙江省杭州で修業を積んで帰国後、中国文化に習ってそば切りをふるまった、とも言われています。
どこが一番最初か、というより、時代背景を見ると日本全国あちらこちらで始まった、ともいう考えもあるそうです。
そんな栖雲寺、現在では現住職である青柳真元和尚がそば打ちの修行に励んでいらっしゃいました。
今後、お寺に訪れた方々にそばをふるまいたい、との暖かいお心を感じましたよ!
今回はそのお手伝い(になっているかわかりませんが)の一つとして、そばの種まきをした後、ご住職のご厚意でおそばまで頂きました。
そばの種まきをしたよ!
今回は本堂前の向かって右側に、種をまきました。
本堂前のこの場所、元駐車場とのことで、砂利も混じるかたい土でした。
そばはやせた土地でも芽が出るそうで、生命力の強さを感じますね。
上の写真向かって左側は、約1ヵ月前に種をまいたそうで、たくましく伸びていましたよ。
まずはみんなで耕しました。
こちらがそばの種。
三角形の硬い種です。
和尚さんに習って、息子も一緒にまいていきました。
そっと土をかけて終了です。
3カ月ほどでそばの実ができるそうですよ!楽しみですね😊
(2021.5月にまきました)
お蕎麦を頂きました
種まきが終わり、ホッとひと息。
本堂の隣にある庫裏へ。
いろりには火が灯り、けんちん汁が!
青柳和尚はそばの修行に出ていて、今回始めてお寺で打っていただきました。
お蕎麦もけんちん汁も、とてもおいしくいただきました。
標高1010m、涼しい風が通り抜け、この日はハルゼミが鳴いていましたよ。
築420年の県指定重要文化財である庫裏では、いろりを囲んで「囲炉裏カフェ」も開催しているとか…わたし個人的には「住職手作り精進菓子」がすごく気になります!
この天井、釘などは一切使わずに作られています。ゴロンと横になって眺めたくなりますね!
ご馳走様でした(*´▽`*)
栖雲寺は「武田氏ゆかりの地」として有名
栖雲寺は、山梨県民が大切にしている武田家ともなじみの深いお寺です。
歴史の詳しいことは、甲州三ツ者衆の公式ブログで解説してくれていますので、そちらをご覧ください。
ここでは、歴史に疎いわたしがポイントのみをお伝えしておきます。
- 武田家第13代当主である武田信満(信玄より6代前)が自害したお寺(信満公の菩提寺)
- 信玄公が上杉謙信の刀を受けたといわれる神通力ある軍配が保存されている
- 勝頼が最期に目指したお寺
軍配を含む重要文化財は、宝物殿で拝観することができます。
境内には武田信満公のお墓もありました。
気になる方は、ぜひ足を運んでみて下さいね!
栖雲寺は禅寺、石のお庭を散策したよ
もともと栖雲寺は、貞和4年(1348年)業海本浄によって開山された禅寺です。
なんと石の上で座禅をしていたとのこと・・・想像つきますか?
どんな石庭か、お庭を散策してみました。
すぐに目に飛び込むのは、大きな岩がゴロゴロとしている開けた場所。
まさにここで座禅を組んでいたそうです。
石、というよりも、大きな岩、それも平らではなく、大きさも形もさまざま。
夏の暑い日も、冬の寒い日も、ここで禅を組んで修行していたという業海本浄。
ここに座るとどんな景色が見えるのだろう、わたしも座ってみたくなりました。
こちらは、栖雲寺Instagramからの引用です。
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すごい・・・!自然の中での座禅ですね。
なお、岩座禅は体験することができるので、気になる方は栖雲寺さんへお問い合わせください。
石庭は山梨県指定名勝となっています。
お散歩大好きなわが家は、もう少し歩いてみました。
歩きやすく整備された道を登っていくと・・・
勝利の神様である摩利支天がまつられている摩利支天堂が。
武田家も必勝を祈願したそうですよ。
橋を進むと、岩に掘られた摩崖仏を見ることができます。
風化しやすい岩質とのことで、屋根が作られています。
山梨県有形文化財(彫刻)である「文殊菩薩 摩崖仏」。
文和2年ごろ作られたと見られ、数百年は経過していると考えられるそうです。
途中、聴松庵跡(松風の音を聞くために建てられた建物のあと)がありました。
自然を活かしたお庭は、眺めるだけでなく歩いたり、禅を組んだりと五感で感じることができました。
ぐるっと散策して、栖雲寺さんを後にしました。
栖雲寺の場所・アクセス
栖雲寺さんの場所やアクセス方法をお伝えします。
基本情報
アクセス
・中央道勝沼ICから20分、国道20号の「景徳院入り口」を曲がる
・JR中央本線 甲斐大和駅下車、甲州市営バスで約15分「天目」バス停下車すぐ
・甲斐大和駅より徒歩約6km(竜門峡ハイキングコースの終点)
バスも止まりますが、本数が少ないので注意。時刻表はこちら
日川渓谷の散策マップです。
▼11月の甲州市「ころ柿つくり体験教室」に参加したあと、日川渓谷へ遊びに行ったレポートです。
おわりに
天目山栖雲寺で過ごした半日ほどを、今回は日記のように紹介しました。
厳かな雰囲気のある寺院でしたが、わたしは終始自然のいいにおいに包まれ、不思議な感覚でした。
何より、住職の青柳和尚さんがとっても優しく、居心地の良さを感じました。
今後おそばを振舞われる機会も増えるかと思うと、お寺に遊びに行くのもまた違った楽しみができますね!
また座禅にも挑戦してみたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました😊
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